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「菊人形展」 |
文京ふるさと歴史館で、2002年秋に行われた「菊人形展」を見てきた。
特別展のガイドツアーに参加して、係の人の説明をききながらの観覧になった。
江戸時代、巣鴨、駒込地区は、植木職人が多く居住し、菊の花の品種改良等が行われていた。
文化年間(1804〜18)、寄せ植えや、一本の菊の枝葉を加工することにより、富士山や孔雀等の形を作る菊細工が始まった。このブームは4〜5年で去った。
第二次ブームは弘化年間(1844〜48)で、この時、顔を人形で作った「菊人形」が出現。このブームもすぐに終息した。
安政年間(1854〜60)からは、菊人形展の中心は団子坂(千駄木駅の近く)に移った。維新期には一時下火になったが、明治20年代頃から最盛期を迎えた。この頃の菊人形のネタは、歌舞伎、狂言の他、
●磐梯山の噴火(明治21年)
●日清戦争、日露戦争
●来日したオランウータン(100日程で死んでしまったらしい(哀))
●「世界第一の美人」フランス美人コンテストで優勝したベルギー美人・マカトリエ女史(明治22年)
●スペンサーの風船乗り
等の時事ネタ、
●彰義隊
●西遊記
●吉祥七福神
などがあった。像も最大で高さ20mなどというのがあったそうだ。
演出方法も、廻り舞台、せり出し等、歌舞伎舞台と同じ技法が使われた。また、蓄音機を使ったものもあった。
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明治42年に両国国技館ができ、電気を利用した大仕掛けや、段返し等の技、活動写真を併用した菊人形展が始まった。(こちらを企画したのは、最初は名古屋の奥村黄花園。)座席に座って派手で斬新な出し物を見るという趣向にかなわず、団子坂の菊人形展は、明治44年に終了した。
国技館の菊人形展は、後、乃村泰資(のむらたいすけ、のちの乃村工藝社)がひきつぎ、昭和18年まで続いた。
ちなみに、昭和17年のタイトルは、「大東亜戦争戦跡めぐり菊人形展」だったそうだ。
戦後、国技館の菊人形は再開されることはなかったが、
都内では、
谷津遊園(遊園地は大正14年〜昭和57年、菊人形展は大正14年〜昭和53年)、
多摩川園(遊園地は大正14年〜昭和54年、菊人形展は、昭和10年〜51年)
で、乃村工藝社が菊人形展を行っていたそうだ。
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| まず、胴殻(骨組み)を作る。胴殻は、木枠に、巻藁(竹に藁を巻き付けた竹ひご状のもの)を組んで作る。熟練した菊人形師でも、最低一日はかかる大仕事。 |
![]() 人形の首は、日本人形と同じ手法で、蠣粉を塗ったりして作っていたが、最近はプラスチック等で代用されることもあるそうだ。 上の写真は、明治時代に使われていた人形の首。 |
ロシア人。当時の悪役にちがいない。 |
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菊人形の花って、展示しているうちに枯れないのか?という質問に対して。 |
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今回、歴史館には、一体だけ菊人形(八百屋お七)が展示してあったが、これに毎日水やりするために、博物館員の人は休日出勤する羽目になったそう。 お疲れさま〜。 |
一度でも菊人形展が行われた地域は、120都市150箇所あるが、現在行われているのは、25箇所程度だ、とのこと。
急にやめたり、始めたり、調査しているうちに、「ここでもやっていた!」というのが出てきたりして、展示用のパネル作りが大変だったそうだ。
専門の菊師や菊人形師がやっているところと、素人が作っているところがあり、技術の差は歴然としている。
素人の作ったのは、花が人形の服から浮き上がったようになってしまって、上手におさまっていないらしい。
菊師、菊人形師とも、季節の商売なので、どの地域も後継者不足に悩んでいるとか。
●大阪・枚方パーク明治43年から行われ、現在なんと91回目!はじめは大河ドラマネタでやっていたが、集客力が落ちたため、昨年秋からテーマを源氏物語に変えたそう。 戦時中には、「大東亜国防館」というのがあり、モンペや防空ずきん姿の女性、大砲を撃つ兵士等の菊人形が出展された。 |
●福島県二本松市
霞ケ城公園で開催。昭和30年〜。日本最大級(33場面120体、1200円)で、15段返しの舞台仕掛けが見られるのはここだけだそうだ。
●宮城県柴田町
昭和45年〜。6場面25体。船岡城址公園で開催。
●山形県南陽市 大正5年〜。17場面50体。
●湯島天満宮 11/1〜23。規模はけっこう大きいらしい。
●小山遊園地
つぶれた筈のこの遊園地、どういうわけだか、また、再開されたらしい。
他、北海道の北見市でもやっている、というのは驚きだった。こちらは屋内で展示しているようだ。
今はやっていないが、昔やっていたという記録のあった場所
●ルナパーク 大正4〜5年。戦前に、初代通天閣の足下にあった遊園地。
●須磨遊園地 大正11年。私は須磨に住んでいたけれど、昔そんな遊園地があったとは知らなかった。いったい須磨のどこにあったんだろう?
●横浜ドリームランド 昭和40年
●別府ラクテンチ 昭和6年 この遊園地はまだ健在。すご〜くレトロらしいので、行ってみたい。(2003年に行ってきました→レポート)。
私は、菊人形に関して、全く知識がなかったため、今回の特別展は、非常に参考になった。これをきっかけに、2002年秋は各地の菊人形展を回ることになった。
●文京ふるさと歴史館
文京区本郷4-9-29、03-3818-7221
10〜17時、月休、第四火曜日、年始年末、100円(今回は特別展開催なので300円)
「菊人形今昔」特別展は、2002年10/12〜11/24開催。
歴史館のHP