松代大本営予定地跡(1)

松代大本営は、太平洋戦争末期、政府機能や放送局、天皇陛下などを安全な場所に疎開させるために計画された。昭和19年秋に工事が始まった。日本人だけでなく、朝鮮人労働者を大量動員して建設され、終戦時には約75%が完成していたそうだ。

象山舞鶴山皆神山に壕が掘られた。象山には政府機関、NHKなどが、舞鶴山には大本営、宮内庁と天皇が入る予定だった。皆神山には当初は天皇を招く予定だったのだが、地盤が弱いので倉庫として使うことになった。

★上の図は象山防空壕入り口に展示されていたもの。

象山地下壕は一部が一般公開されている。

入洞口の脇に「不戦の誓い」碑と、「朝鮮人犠牲者追悼平和記念碑」(画像)があった。

説明を読むと、この工事で亡くなられた朝鮮人労働者は300名〜1000名と推定されているが、正確な人数はわからないということが書かれていた。さらに、死亡者で氏名のはっきりしている方は4名しかいないそうだ。口封じ大虐殺があったのでは?と指摘する人もいるらしいが、「新手さぐり大本営」(下記)では、「調査の結果、大虐殺を裏付ける証拠は見つからなかった」と結論している。「劣悪な作業環境、栄養失調で多数の方が亡くなられた」というのが実情のようだ。

4名のうちの1人、中野次郎氏のお墓が隣の恵妙寺にあるのでお参りしてきた。

壕入り口に、売り物の本が置かれていた。本の宣伝文句は全て手書き。おや?と思って写真を撮っていたら、脇にいた係のおじさんが「朝鮮人犠牲者の方の写真は撮影しないでね」って。ハイ、了解。実は、この方が本の著者・原山氏だった。

「新手さぐり 松代大本営 −計画から差別の根源まで−」 原山茂夫著 1000円
社会福祉法人 長野若槻園 コロニー印刷(TEL 026−296−1411)
流通コードがついていないため、通常の本屋での入手は困難。
松代大本営について、朝鮮人問題に重点を置いて記述。韓国訪問しての取材、遺族や関係者への聞き込みなど膨大なデータから緻密な分析が行われている。

本、後で買います、と言って入坑した。
入り口付近は狭く、なおかつ傾斜していた。この穴が出口として最後に掘られた部分だったこと(未完成)と、当時の測量ミスで水平が狂ってしまったことが原因だったそうだ。
赤い桁は一般公開のために設けられたもの。
この界隈、通路が曲がりくねっている。
しばらく歩くと穴は広くなった。

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