神長官守矢史料館(1)

友人から「諏訪大社の祭祀関係の博物館・神長官守矢史料館はディープ」と教わったので、見に行くことにした。

諏訪大社は上社(前宮、上社本社)、下社(春宮、秋宮)の4つの神社からなる。4つの中で一番小さな神社・前宮を訪れた。ここは、神長官・守矢家にゆかりの深い神社なのだ。

朝早めの時間帯ということもあると思うが、他の3つの神社に比べ、観光客も少なく、いい雰囲気だった。

看板に「神秘にして原始的なミシャグジ神を降して諏訪明神の重要な祭祀、神事を執り行った聖地」と書かれていた。

ミシャグジ神って何?

帰宅後、検索して出てきたページ「世界神話辞典」内)や、係の方の説明を参考にまとめてみた。

世界神話辞典によると、「諏訪では、竜蛇神、山神、風水神などの神性が習合されてミシャグジと呼ばれており、果たしてただ一柱の神であるのかは定かでない」とのこと。
敷地内の御室社の説明板に「蛇型の御体と称する大小のミシャグジ神とともに」と書かれているので、蛇神様かと思ったら、そうではないらしい。ミシャグジ神を象った男根型の石(非公開)もあるそうだ。でも、性神というわけでもないらしい。
えたいのしれない神様だが、「石神(しゃくじ)、石神井(しゃくじい)、精進(しょうじ)、十三(じゅうそう)などの地名はシャグジに関連のある地名」だそうなので、各地で信仰されていたようだ。

諏訪大社は建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)と、その妻の八坂刀売命(やさかとめのみこと)を祀っているが、神事のほとんどはタケミナカタではなく、ミシャグジを祭神としてのものだそうだ。タケミナカタがミシャグジを倒し、諏訪の主神となったという伝説があるらしい。

前宮の近くにある神長官守矢史料館の駐車場にバイクを入れた。この史料館は「神長官」「守矢」さんの家の敷地内にある。神長官は、上社の神事を司る職業だ。

敷地内にミシャグジ神を祀るお社があった。

史料館の建物は建築家・藤森照信氏の作ったもの(平成3年)で、板壁と土の壁が組み合わさった面白い形をしていた。

「目に見える部分は、工業的に加工された素材を極力廃して作った建物」だそうだ。

詳細は「タンポポ・ハウスのできるまで」(藤森照信、朝日文庫)参照。

建物の屋根に突き出した柱に、薙鎌(なぎがま)という鎌の先っぽのようなものが、突き刺さっていた。薙鎌は、古くは魔よけ、近年では諏訪大社のご神体と考えられているそうだ。諏訪大社では、御柱に選ばれた木に目印として薙鎌を打ち込むが、御柱祭の時?に除去してしまうので、諏訪大社の境内に立っている御柱に薙鎌はついていない。

ちなみに、守矢史料館の薙鎌は施設のオープン時、茅野市長が打ったそうだ。

薙鎌が神木に打ち込まれたままになっている、諏訪大社関係の神社がある。

史料館で購入した「神長官守矢史料館のしおり」というパンフ(200円)によると、北小谷村中土諏訪神社で薙鎌祭りが行われた翌日、宮司一行が信越国境の戸土諏訪神社(境の宮)仲股小倉明神内の木に薙鎌を打ち込むそうだ(交互なのでそれぞれ12年おき)。

→この後、戸土の境の宮(レポート)、中股小倉明神(レポート)の薙鎌を見てきた。

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